Lausanne Global Analysis

2014年3月 課題概要

ローザンヌ国際動向分析3月号へようこそ。全文をお読みになる方にも、あるいは要旨だけをお読みなる方にも、今号が興味深く、有益なものであるようにと願う。本誌の目的は、戦略的で信ぴょう性ある分析、情報、考察を配信し、それによって、読者がリーダーとして世界宣教の務めのためにいっそう整えられることである。現在及び将来の動向及び展開の分析を通して、読者とその同労者の方々が、神から託されたあらゆる務めの管理について、より良い決定をすることができるようにと願っている。

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今号では、スリランカの教会が直面している困難、及びそこから学べる教訓について記す。気候変動、特にオセアニアの現状に対するクリスチャンの応答としての、環境宣教学及び環境正義論についても取り扱う。宣教の中心として都市を位置づけることについての戦略的アプローチ、口述文化ムーブメントが世界的ミニストリーにもたらす影響と利益、そして比較的短い記事ではあるが、南スーダンの危機に伴うトラウマのケア及び紛争解決の支援についても取り上げる。

「スリランカのキリスト教は今日、活力に溢れ、しかし傷つきやすく、迫害にさらされてもいる。」とKamal Weerakoonは記す。長期にわたる内戦が社会に影響を与えているため、クリスチャンとして生きることは困難である。仏教的ナショナリズムは、伝道を植民地主義だとし、回心は反逆だと唱える。特定教派によらない新規教会は、しばしばずさんな管理に陥り、個人崇拝や偽りの教えの餌食にもなりやすい。伝統的教派の教会は、神学的リベラリズムや自己満足といった負の遺産に苦しんでいる。それでも、献身的な指導者陣と超教派的協力によって、未来への道筋が見え始めている。「スリランカの教会が直面している課題の多くは、他の諸国でも若干異なる形で現れている。したがって、スリランカから学ぶべき教訓があるはずだ。」とWeerakoonは結んでいる。

「気候変動は南太平洋(オセアニア)のコミュニティに多大な影響を与えている。海面が上昇し、極端な海面事象が起こり、強制移住や深刻な社会的影響も現実味を帯びてきている。」とMick Popeは報じる。欧米の環境宣教学は環境正義論に照準を合わせるべきである。影響を受けている当事者を思いやることにおいて適応を探り、欧米列強諸国に対し環境預言的に語ることを通じて軽減活動に取り組むべきである。変化を続ける世界にあって社会文化が生活に順応していく中で、Theomoanaなどの地元の環境神学は環境神学の文脈化に寄与するであろう。「これらの諸点の多くは、従来型宣教の中心点である福音の告知から離れて行くようにも見えるが、実は平和、正義、全被造物の和解を強調することで、神の国を真剣にとらえているのである。」とPopeは結論づける。

「都市の拡大のしるしを観察し、それがキリスト教宣教にもたらす影響を吟味することは、きわめて重要である。」とPaul Hildrethは言う。一部の国際宣教団体では、今も地方型の宣教が中心だが、その一方、2008年頃すでに、世界人口の過半数は都市に集中していた。そうかといって、宣教の照準を地方から国際都市に移行したとすれば、重要なものを失うことになる。世界の都市人口の53%超は、人口50万人未満の比較的小さな都市に住んでいる。都市の文脈を本当に理解するためには、首都の境界線外まで行ってみることがぜひとも必要だ。「1つの都市の中の様々な種類の教会の役割と相互関係を把握し、その都市全域で教会が相互に支え合うために、そうした様々な役割をどうやって補完させ合うかをもっとよく理解すれば、その都市の宣教のためにもっと戦略的なアプローチをとれる可能性がある。」とHildrethは結ぶ。

「この30年間、時系列聖書教授法(Chronological Bible Teaching = CBT)は全世界に広まり、地方の部族社会から世界の中心都市にまで至り、ミニストリーにおいて効果的にストーリーを用いる方法を宣教界に再認識させた。」とTom Steffenは記す。しかし、今日の多くの教会リーダーは、いまだにこのムーブメントを知らずにいる。現代の口述文化ムーブメントは、読者が認識しているいないに関わらず、あらゆるレベルで世界宣教に影響を与えている。それはミニストリーのあらゆる側面に影響をもたらしている。その影響範囲は訓練、神学教育、聖書カリキュラム、聖書翻訳、伝道、教会開拓、コミュニティ開発、宣教としてのビジネス(ビジネス・アズ・ミッション=BAM)、被造物保護、アート、メディア、聖書釈義学、説教学にまで及ぶ。全世界の教会リーダーがこのムーブメントの貢献に気づくように願おうではないか。「もし私たちが自分の殻を破るなら、現在の口述文化ムーブメントは、世界中のミニストリーに多くの答えを提供することができる。」とSteffenは結論する。

南スーダンで最近起きた暴力事件のせいで、この世界最新の国家は崩壊の危機に瀕しているのではないかという懸念が拡大した。しかし、「政治家だけに注目していては、もっとずっと大きな問題を見落としてしまう。」とPaul Parkは言う。この国の政治家はトラウマに苦しむ人々から成る国を管理しようとしているのだ。何世代にもわたる戦争と抑圧から国民が被った心理的・情緒的な傷は、まだ癒えていない。この経験から来るトラウマに取り組まずに放置すれば、暴力のサイクルはいつまでも繰り返され、すぐれた統治と経済発展に至る道筋が損なわれてしまう。Parkが重要なこととして挙げるのは、「パートナー団体を見出すことだ。上水、弟子訓練、農業開発、教会開拓などを提供するのと並行して、トラウマのケア、紛争解決、平和構築、そして究極的な国家構築の重要性を認識している団体であって、活動の中にこれらの重要事項を統合している団体を見つけたい」。

今号についてのご質問及びご意見は[email protected]宛にお送りください。次号のローザンヌ国際動向分析は5月発行の予定です。

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13 Mar 2014

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