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(英語等の言語において)大文字の効果は驚くべきものである。最近出版されたトーマス・ネルソン出版の「世界中の福音派 : 21世紀の世界的ハンドブック」の編集の段階において、大文字による強調をどう扱うかは、大きな問題であった。どのような場合に福音派/福音的(Evangelical/evangelical)は大文字化され、どのような場合に小文字化されるのだろうか?

大文字のEはそれ自体が重要というよりは、福音派のコミュニティが、大きく、成長中の、世界的な自分たちをどのように見ているのか、という興味深い問いを投げかける。

「福音派」(Evangelical)であると区別することの重要性は何だろうか?運動や働きや考えが福音的な(evangelical)という形容詞には含まれるのだろうか?この運動は、「福音派」(Evangelical)という言葉を誇りにする多様な集団であり、同時に今でもその正確な意味を探し求めている集団である。人々がそれぞれ違った見た目、言葉、そして時に異なる考えを持っているのは福音である。

この本は、46人の著者による51章からなる。46人の著者のひとりとして、ローザンヌ神学グループのメンバーであったロゼ・ダウゼットは、「福音派の多様性というチャレンジ」という章を書いている。彼女は、「ひとつの家族のきょうだいは互いにとても違うことがあり得る。しかし、彼らが互いに戦争状態にあるなら、それは明らかに間違ったことである」と結論している。そして彼女は福音派を礼拝・いのち・奉仕の生活へと招く。

この本への読者の関心を惹きつけるのは、福音派の奉仕の生活であるだろう。この本には、実地の宣教に携わっている世界中の福音派の人々の23の物語が含まれている。これらの物語はそれぞれの簡潔なプロフィールとなり、福音派が、共同体の中でそれぞれが本拠とするところの違いを表している。

物語は、実地の、世界的な福音派の幅広さ、そして福音派が、イエス・キリストの愛と委託の故に、それが属する共同体の、時に切実な必要に応えていることを示している。

この本のより学問的な思慮の中にあって、これらのプロフィールは、私たちが息する、仕える体であり、プノンペンからパサデナに至るまでの共同体への日々の奉仕への重要な召しを生きる体だということを思い起こさせる。

インド、バンガローの南アジア進展キリスト教学協会の教授、ポール・ジョシュア・バアキアラジュ<<<Correct pronunciation?>>> はこのハンドブックの中で「福音派運動の将来」というチャレンジを与える章を書いている。彼は、「抗議(protest)と改革(reformation)」の時は熟した、と言い、世界中の教会の不調や危機が「主に西洋の福音派を進展させている」と指摘する。「西洋の学者で、第三世界における福音派運動の活気に気づく者はまれであり、それを世界の教会にとって貴重な存在と考える者はさらにまれである」彼はおそらく最も議論を引き起こすような章を書いている。

バアキアラジュ氏は、危機について述べるのに加え、時間発展について指摘する。「将来の福音派運動は、顕著な世界的運動になり、主に南・東の大陸に広がるだろう」と彼は言う。「福音派運動は明らかに世界のキリスト教になるだろう。そしてこの運動は真の世界的な現象として認識されるようになるだろう。それは、ますます南・東の大陸の現実を代表し、表現するものとなるだろう」。

バアキアラジュ氏によれば、代表的な福音派は、おそらく「西洋の神学的な教育のある白人男性よりは、むしろ市場で働いている中国人の女性になるだろう。福音派運動の中心も、もはやロンドンのコロラド・スプリングではなくなり、遅かれ早かれ北京、ラオス、サンパウロといった場所に移るだろう」。バアキアラジュ氏は、福音派運動の本質を次のように定義する。「多様で複雑な背景を代表する福音中心の人々。私たちの背景や応答はそれぞれ異なっても、私たちは福音そのものの中心性を決して見失ってはならない」

「世界中の福音派 : 21世紀の世界的ハンドブック」の編集に携わった経験から、筆者はバアキアラジュ氏はおそらく正しいだろうと考える。至る所で自身を福音派と呼ぶ者にとって、福音は確かに中心であり、背景は確かに複雑である。

カレン・スタイラーは、「世界中の福音派:21世紀のハンドブック(Evangelicals Around the World: A Global Handbook for the 21st Century)」の編集長で、Faith Today magazine 誌(Evangelical Fellowship of Canada 出版)の編集主任である。カナダ、オンタリオ州、ポントペリー在住。